必死で生きていくなかから、異業種の協同組合誕生
40年ほど前北大阪地域で日頃付き合いのあった10数社で協同組合を発足させた。経理がきちっと出来ない。金の借り方も判らない。経営の見通しについても感覚的でもうひとつ正確に把握できない等々。事業に関わって日の浅い人たちも多くいた。日々の活動の中でお互い相談することが多かった。その関係を組合という形にしたのが私たちの始まりである。業種がそれぞれ異なっていたので当時では珍しい「異業種組合」という事になった。
安全な食べ物を求める活動からの発展
その後「安全な食べ物」を切り口に展開する食品の流通に携わる組合員の事業が順調に伸び拡がっていった。その食品事業を牽引役にして組合全体が活気を生み出し発展してきた。車、コンピュータ、保険、建築、設備、流通資材等々。一つの事業はそれを発展させるためにはどんな物であれ常に全体的であり総合力が求められる。一つ前進すればまた次の課題が生まれてくる。新しいイメージが拡がり、それを形にしていこうという意欲につながる。あまり儲からなくとも楽しく働ける。お互いがお互いを必要とする関係が地域に広がれば、また違った意味での事業共同体が生まれてくるのではないか。
私たち協同組合の終わりのないテーマ
「農業畜産」「無添加食品」「産直共同購入」「地球にやさしいリサイクル」「安全な住まいづくり」など、人間が人間として生きるために必要な生産、消費、廃棄のリサイクルを地域的かつ一体的な関係の中で追及する。事業の発展を、地域的な協同関係の進展、(ひいては総合力の向上)と併行して意識的に進める、等々。
人間らしい生き活きとした暮らしと、人と人との顔の見える関係を大切にしたい。地域で共に生きる。生活まるごと生き活きと!そんな有り様をどう実現していけるか? 私たち協同組合の終わりのないテ-マである。
(1)なぜ商工協同組合なのか?
我々中小零細企業にとって、社会的状況は常時厳しいものである。
好・不況にかかわらず、人材が少ない・資金力に欠ける・技術レベルが低い・・・等悪条件を備えながら、大企業との競争を余儀なくされている。また、コンピューターの導入等、企業のOA化・情報化は、技術のレベルアップ、合理化のために欠くべからざるものとなり、ここでも企業間格差は広がる一方である。
中小零細企業において高価なOA機器を導入しても、技術・能力面で無理があり、人材の養成も困難である。更に、経営規模が中途半端なために、稼動率が悪く、活用しにくいものとなっている。その他、従業員教育・福利厚生面も充実が困難である。これら深刻な状況を、我々は商工協同組合を設立し各事業を協同運営することで、切り開いてゆくものである。
(2)なぜ異業種の組合なのか?
同業種組合は数多く存在するが、組合員は基本的に競争関係にある。共同の資金運用、そのための互いの経理公開、また技術・人材の交流、更に顧客・販売ルートの相互紹介に至っては、同業種どうし企業秘密とし、防衛するのが一般的であろう。
組合をつくり、共同事業をすすめる際、組合員の連帯意識は不可欠である。我々は異業種組合をつくることで、基本的競合関係の生じない客観的条件を整備した。異業種ならば互いの事業内容を臆せず公開でき、双方にメリットのある結果が生まれる。そういう基盤をもった上で、組合員の主体に訴えかけ、共同化・共有化を促してゆけば組合の強味は遺憾なく発揮されることであろう。
<北大阪商工協同組合> 〒560-0013 大阪府豊中市上野東3-18-15 TEL:06-6858-5702 FAX:06-6846-2175 E-mail : kitashoko@leaf.ocn.ne.jp |
●代表理事 大里哲久 ●理事 他4名 ●組合員数 64 ●出資金 1口10万円 ●出資口数 221 ●準組合員 7 |