たまte箱 Vol.27 2004/7/26
近江の国でひとりごと
 
〜価値観、感覚の違いについて〜
産地直送という生業はただ単に、良いもの、安心して頂ける食べ物を運ぶだけではありません。農村と都市、食べ物を頂く人、食べ物を作る人をつなぐパイプ役をしています。食べ物を頂く立場の人、食べ物を作る人、それをつなぐ運ぶ人、本来それは一緒のはずなんですが、今の世の現状では分業され、随分と隔たりがあるようです。現実として立場や環境、個々の感性などにより感覚や価値観が違うのは当り前なんですが、それを理解しあい、共存していけるように試行錯誤し、働きかける事が本来の産地直送の役割なのだと最近実感しつつあります。

 土から離れて暮らす現代社会では、食べ物やモノが手元に届くまでの作られてきた成り立ちや経緯が伝わりにくいようです。また、モノを食べる、使う人の思いも不透明であり、相互の意識の行き来がとりづらく様々なことがよくわかりません。想像力が乏しいというか、認識がないというか、一度出来上がった既成概念にとらわれることなく、それをとっぱらって一から、ゼロから考えてみると発見できたり理解できることが沢山あるように思えます。

 私達人間も自然の中にいて、自然の恩恵を受けながら暮らしています。沢山の物、お日様や雨、さらには小さな微生物にいたるまで、支えられ日々命をつないでいます。今、世の中は少しずつですが、高度成長期の使い捨ての時代から、私達を取り巻く自然環境を考える永続可能な農業、暮らしを考える時代になってきました。

 畑で取れる農産品は人間の思い通りにならない事ばかりです。お天と様の様子をうかがいながら、食べ物が育つ手助けをします。それはまるでお百姓さんからすれば子育ても同然です。よつ葉の会員の皆さん、配送スタッフ、各農場工場、産地のお百姓さん、それぞれにもまた立場や感覚の違いがあります。会員の皆さんが何でだろう、おかしいなと感じられた事も沢山あると思います。メッセージを頂いたときは、一度は謙虚にお受けしたいと考えています。その上で改めて一緒に考え、相互理解ができたら理想ですね。違いがあるのは当り前だと思います。スタートライン、価値観、感覚がそれぞれに違うのですから。会員さんからはわざわざ電話を頂いたり、なんやかやかまってきてくれるのですから、それだけ真面目、真剣なんですね。まあ、あまり大きなことを書くと叩かれ、お叱りを受けますので、少しずつですが、本当の産地直送を目指してめげずにやっていきたいところです。(井上)
 
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