日本熊森協会 |
中学生の運動から
十二年前、尼崎市の中学生が一枚の新聞記事でツキノワグマが人間の環境破壊により絶滅寸前であることを知りました。署名を集め、知事・両陛下へ直訴など、困難を乗り越え兵庫県のツキノワグマ狩猟禁止へこぎつけました。しかし、戦後五十余年の間にスギとヒノキの植林が推し進められ、すっかり人工林になってしまった山にはえさ場がありません。大学生になった彼らは熊などの棲める森の保全をするために一九九七年日本熊森協会を結成しました。 |
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動物の棲める森の復元を目指して |
間伐、枝打ちが行われていないスギやヒノキの森の中は真っ暗で草も生えていません。兵庫県の美方町、但東町、養父市など熊の生育地でスギを間伐したり、シバグリ、ミズナラ、クヌギなどの植林を続けてきました。山に実がならなかった年にはラジオで呼びかけ、町のどんぐり、柿、イモなど一トン以上を十三回にわたり奥山へ運んだ事もあります。鋼のワイヤーでできた「くくりわな」にかかった熊の救出に向ったことも…熊の棲めるような森、ふるさとの森について考えてもらおうと毎年セミナーを開催。原生林ツアー、街頭キャンペーン、講演会などなど…当時中学生だった瀬戸さんは「十二年間の熊森の活動を通じて、信念を持って活動を続ける事の素晴しさ、自分のためだけでなく、人のために頑張るというのは、自分が思ってもいなかったパワーをたくさん出せるんだという事を知りました」と話す。昨年京都支部ができ、奥山に植林をするべく準備中。今年七月滋賀支部も結成準備を進めています。次の世代へ命の循環をバトンタッチできるよう、熱い思いの仲間が集まりつつあります。支部員募集中!(村上 美和子) |
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日本熊森協会/一九九七年設立。会長・森山まり子(公立中学校理科教師 去年退職)現代生態学に基づき野生動植物の保全活動を行う実践自然保護団体です。地元と協力し、行政に理解と連帯を求め、都市住民参加で、でき得る限りの活動をしています。 |
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