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「職員の力、チームの力〜記録がすべてのカギを握る」

目からウロコの介護論(3)職員の力、チームの力


〜記録がすべてのカギを握る〜


大阪市ケアのあり方研究会編
A5判 64ページ
定価864円(税込み)
ISBN978-4-88720-561-1
2008年9月1日初版第1刷発行注文する


【内容紹介】

2006年12月に行われた大阪市ケアのあり方研究会の第3回研修会の講演録。講師は、福岡市にある第二宅老所よりあいの村瀬孝生さん。
「宅老所よりあい」は、1980年代前半から存在する宅老所の老舗中の老舗であり、かつその介護の質の高さについても介護業界全体から一目をおかれている存在でありつづけている。そんな宅老所よりあいが、実は介護保険の始まった2000年頃から介護論的に危機的な状況に陥っていた、というショッキングな話から始まり、その状況を改善すべくこの5〜6年間、何に着目し何に取り組んだかという内容になっている。
どの介護現場でも介護労働はチームで行われるものであり、そのチームの構成メンバーがバラバラに介護にあたったのでは、お年寄りにとっての良い介護には至らないという当たり前の事実から議論は出発する。個々の職員の介護観の違いを前提としながら、お年寄りに対してチーム(集団)として共通した介護を行っていくために、チームに何が必要か、宅老所よりあいがあがいてきた事実が、赤裸々に語られている。結論としては、「事実に基づいた介護」と「その事実からチームとして議論していく場づくり」「その事実を蓄積するための記録システム」ということに現状ではたどり着くのではあるが、そこにたどり着くまでの紆余曲折さが宅老所よりあい的であり、どこの介護現場でも見られる現場くささが残されていて、きれい事ではすまされない課題を突きつけられる内容となっている。

【目次】

第1章 宅老所よりあいの職場環境の概要
現場は本当に変わらない(?)/宅老所よりあいでは、職員に主体性が求められる
第2章 壊れそうになった「よりあい」組織
「疑似家族」から「通所で在宅を支える」/小規模は自己完結に陥りやすい/誰にも相談しないで職員一人が抱え込む/介護方針が対立したまま、組織的な合意が得られない/あうんの呼吸の介護と介護観のばらつき/マニュアル化の否定と暗黙の了解の発生/「派閥」が生まれる/「感性重視」「経験主義」への偏重と職員の思考停止/組織の「仕組み」と「社会性」をつくっていく
第3章 「意識を変えたら現場は変わる」は幻想だ!!
自分で発見する喜びを見つける研修をやってみる/事実を見て、言葉にして、相手に伝えて、議論する/「援助の視点を再整理する」をテーマに/どんな意見も否定されない/新たな「壁」にぶつかる
第4章 「事実から出発」するための「記録」に取り組む
どうせ行なわざるを得ないなら役に立つ記録を/「言ったこと」「やったこと」「表情」/記録の蓄積から、その人の望む介護が見える/たった一人で客観性は高められない/ミーティングが現場の裁量権委譲の源泉/集団の課題と自分の課題
第5章 宅老所よりあいのこれからの課題
ちゃんと議論できるミーティングへ/地域福祉から介護福祉を「考察する力」/介護労働の地域再分配から地域ケアづくりへ
補論 せっかくの機会なので村瀬さんに聞きました
「集団の力」はお年寄りだけに必要なものではない/「共感する力」をつくりたいから仕組みをつくる
資料:宅老所よりあいの記録
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