目からウロコの介護論(3)職員の力、チームの力〜記録がすべてのカギを握る〜
大阪市ケアのあり方研究会編 |
【内容紹介】 2006年12月に行われた大阪市ケアのあり方研究会の第3回研修会の講演録。講師は、福岡市にある第二宅老所よりあいの村瀬孝生さん。「宅老所よりあい」は、1980年代前半から存在する宅老所の老舗中の老舗であり、かつその介護の質の高さについても介護業界全体から一目をおかれている存在でありつづけている。そんな宅老所よりあいが、実は介護保険の始まった2000年頃から介護論的に危機的な状況に陥っていた、というショッキングな話から始まり、その状況を改善すべくこの5〜6年間、何に着目し何に取り組んだかという内容になっている。 どの介護現場でも介護労働はチームで行われるものであり、そのチームの構成メンバーがバラバラに介護にあたったのでは、お年寄りにとっての良い介護には至らないという当たり前の事実から議論は出発する。個々の職員の介護観の違いを前提としながら、お年寄りに対してチーム(集団)として共通した介護を行っていくために、チームに何が必要か、宅老所よりあいがあがいてきた事実が、赤裸々に語られている。結論としては、「事実に基づいた介護」と「その事実からチームとして議論していく場づくり」「その事実を蓄積するための記録システム」ということに現状ではたどり着くのではあるが、そこにたどり着くまでの紆余曲折さが宅老所よりあい的であり、どこの介護現場でも見られる現場くささが残されていて、きれい事ではすまされない課題を突きつけられる内容となっている。 【目次】 第1章 宅老所よりあいの職場環境の概要
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