管理をしない特養での暮らし〜清水坂あじさい荘の介護のこれまで〜
のびのび委員会(地域型高齢者協働居住推進委員会)編著 |
【内容紹介】 2001年9月に姫路市で行われた「兵庫県宅老所・グループホーム・グループハウス学習会」と、その前日に園田苑にて行われた法人内研修会での講演2本を、1本にまとめ直した講演録。定員120名(うち、95%が痴呆のお年寄り)という超大型特養で、「ふつうの暮らし」を実現しようとした特別養護老人ホーム清水坂あじさい荘の初期3年間の実践について語られている。鳥海房枝さんは、現在でも「拘束ゼロ」の実践のシンボル的な存在であるが、「拘束ゼロ」とは「縛らない」という物理的な側面に注視するのではなく、施設で行われている介護全体のあり方自体を問うことから始めなければならない。「拘束をどうやめるか」ではなく、一人ひとりを支える介護をどう実現していくか――その結果として、拘束がなくなるのだ、ということを本書では実践報告を交えながら説いている。 流れとしては、清水坂あじさい荘の概要、鳥海さんのあじさい荘前史の説明、結果としての「拘束をしない」あじさい荘になったチーム労働のあり方、一人ひとりを支えるために必要な老いの捉え方、それらをふまえたいくつかの実践事例と(医療では担えない)介護の可能性のインプリケーション、といった内容となっている。 介護保険導入と同時に行われた、万葉苑の介護システムの大改革を説明することから始まり、それが、それ以前数年間の介護システム見直しの議論を受けてチームで検討されてきたことの実現に向けて動いた結果であり、変化によって生じるさまざまな職員の不満を、推進チーム全体が変わっていくためのきっかけとして捉え、それに耳を傾けながら、次に変わっていく方向性を探り、施設全体が変わっていく様子を丁寧に説明している。 【目次】 第1章 清水坂あじさい荘の特徴
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